顛末記 その3 シベリア鉄道~モスクワ到着

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3/2 クラスノヤルスク
プラットホームの露店にて、ゆで卵とアイスを買う。
アイスは外に出したまま売っていた。この国は冷凍庫いらずのよう。
あたたかい車内に戻って、外の景色を見ながらおいしくいただいた。
ロシア語は語尾が様々に変化するらしい。それこそ、スペイン語と同等くらいにたくさんの変化があるらしい。
「わかる」という単語は、元がパニマーチなんだけど、1人称や2人称の時にはポーニャルになって、3人称でパニャラーになるのかな。
ここではたと気づいたのは、皆がしょっちゅうポニョポニョ言ってくるのは「お前、俺たちの言ってることわかってんのかよ?」って聞かれてたんだ!ということ。
・・・・それすらわかってなかったけれど、次回からはヤーポニャと言えるようになりたい。
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おやつ
Xさんに黒パンとサラミをもらう。
すっぱい黒パンと脂ぎったサラミが合わさった旨さったらね!帰ってからも食べたい旨さだよ。

ウズベキスタンの青年H君と話す。モスクワに仕事だそうな。
彼もXさんも人懐っこいね。ウズベキスタンの国民性かしら。

ロシア人は一見怖いし、話しかけても最初は無愛想。まぁでも一回仲良くなるととても親切にしてくれる。
ウズベキスタン人は人懐っこい。結構他人を気遣うことも出来るよう。ただ、どんな国なのかまったく情報がなく暮らしぶりが想像できないな。
北の人たちはよくわからない。群れ社会で行動していて、ご飯は必ず皆で一斉に食べる。寂しがりなのか?おかげでいまいち個人を判別できない。割と夜型人間。日本製品が大好き。漢字、カタカナ、ひらがなは読めないから、おかげでぼかぁ堂々とメモを取れる。机の上に出ているものは何でも自由に使っていいと思っている。折り紙を折れて、何枚も組み合わせるものが多い。日本から持ってきた折り紙の折り方メモみたいのを欲しがったため、俺が物々交換でと言ったら「後でね」と言ってこっちのだけ持って行き、忘れた振りをする嘘つきもいる。(戯れに、胸元のキムイルソンバッジと交換してくれって言ってみたが、笑ってごまかされた。あれを日本人にあげたとバレたら即粛清だろうからなぁ。)

あぁ、ここまで書いてみて、国民性以前に「この国でどれほど豊かに暮らしているか」がある気がしてきた。
北の人たち、持ち物もギリギリだもん。
豊かに暮らしている人ほど他人のこと考えられるとか、そういう月並みな結論かなぁ。でもそれは人種ごとや住んでいる地域ごとに多少は定まっていて、それを国民性と呼びやしないか。
なんだかややこしく考えすぎている気がする。

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夜 ノボシビルスクにて
Xさんが下車。お別れにほっぺにチュとか、異国だなぁ。初体験だ。
入れ違いに乗ってきた青年は、何となく気難しそう。今までと同じように自己紹介しながら名前教えて、書いて、と言ったら、「なんで?」と訝しがっていた。単に眠くて機嫌悪いだけだといいんだけど。

3/3 お昼 チュメニにて
とてもあたたかい陽気、と感じたけど、温度計は-6度だった。慣れとはおそろしい。
特に何も無い駅で、Mさんとひなたぼっこしばし。
隣の青年A君は、僕の語学力の無さを知るややさしくなった。よかったよかった。
なぜか菓子パンをくれた。リンゴ入りのクリームパン、ただし日本のより3倍はでかい。
A君はあまりに暇を持て余していたようで、ノートに今まで見聞きしたロシア語をまとめていた僕に、手近にあるものの名前をロシア語でどんどん教えてくれたり、「彼ら(北の人)は犬を食べるんだよ」と豆知識を授けてくれたりした。
朝鮮の人が犬を食べるのは知っていたし、それは文化なのだからありだと思うのだが、この時はちょっと悪ノリして「本当に!?どうやって食べるの?」と調理法を聞いてみた。北の人たちは笑って朝鮮語で何か言い合ってたけど、結局教えてくれなかった。残念。

夜 ウラル山脈を越えるあたり
MさんTさんと3時のおやつ&夕ご飯。
調子に乗ってみたけの変な人たちのことを話しすぎたな。(「変な」は最上の誉め言葉)こんな風に仲良くなれてよかった。最初に薄暗いウラジオストク空港で、こんな年齢不詳のひげ面の怪しい男とモスクワまで一緒だと知った時はさぞ不安だったろうと同情するが・・・・w
物品の貸し借りができたのも、ロシア語を教えてもらえたことも助かったが、何より、全幅の信頼をおける人がいたことが助かった。「人を見たら盗人と思え」のスタンスでいるべき場所で、そういう人が存在するってだけでも精神的に楽だった。
ここまで僕はとてもいい旅をしている。


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3/4
ロシアのベビーカーは、なんとソリ仕様。 車窓にて

昼前
北の人が降り支度。長い共同生活だったぜ。キムチの匂いは嫌いじゃないが、揃って他人のこと考えないのは勘弁だったわ。やっぱりこれが国民性ってやつかな。
彼らとの関わりで最も緊張したのは、日本のお札を見たいと言った彼らに、Mさんが万札を見せた時だな。その数時間前に自分も言われたが、自分はロシア語がさっぱりわからないフリして出さなかった。「Noと言えない日本人」にとって、話せるのも大変だな、と思った。

ダー(yes)と言おうとしてヤー( I )と言ってしまう。質問に「そうそう」と言いたいところを「私は私は」と返す日本人とか、お前は少女Aかよって。英語のyeahとこんがらがってんだ。困ったもんだ。

夕方
あと1.5時間でモスクワ到着。家が増えてきた。少なくとも、5分に1軒は見かけるようになった。
ローカル駅も存在するようになった。人々が電車待ちするホームを横目に快速に通過するので、ようやくこの電車がシベ超な気がしてきた。

18時 モスクワ到着!
お迎えの車渋滞→たっぷり時間を掛けてホテル到着。 無 駄 に ツ イ ン だ !
フロントからパスポートを返してもらってから、付近散策に出かける。モスクワはウラジオストクと違って、かなり除雪されている。
ホテルの周り、アプテカだらけ。皆そんなに何を買うんだ。
固定された移動販売みたいな小さい店(何て言うんだろう)で、ホットドッグのようなものを100pで購入。ただしラム肉ソーセージの渦巻きがはみだした、日本のホットドッグの3倍量の一品な。
ソーセージを温めながら店のおばちゃんが何事か話しかけてくるけどうまく聞き取れず、かろうじて「あんたモスクワいつ来たの?」だけわかったから「今日」って答えたら、「この先が心配ね」って肩をすくめられた。おばちゃん心配有難う。これでもロシア語ちょっとはわかるようになったんだよ。逆におまいらが日本語をしゃべればいいんだよ。

24h営業のウニベルサムにて待望のヒゲソリを買い、帰室して10日ぶりにさっぱりする。

23時頃? 目覚めたらしいMさんとホテルのレストランで夕ご飯。ブリヌイ旨し。でも多分これは、フォークとナイフで食べるお上品なもんじゃなく、日本のクレープと同じようにハムハム食べるのが正しい気がする。
「列車の中で、ちょっと無用心だったんじゃないのー?」と自分が言うと、Mさんは「言葉の力を信じてますから」と答えた。なんだかとてもきれいなものを見た気がして、少しだけ自分を恥じた。
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by kurorai | 2010-03-20 02:21
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